【美鈴サンタ2015'広島】
美鈴サンタ東京スタッフレポート 2015年12月20日(日)
訪問先
1)津田子供の家
2)広島新生学園
【広島・津田子供の家】
施設名:津田子供の家
(広島県廿日市市津田596番地の1)
ご担当者:藤原施設長
訪問日:2015年12月20日(日)11:00〜12:30
訪問者:光岡、和田
今年で美鈴サンタ3年目のご縁をいただいている「津田子供の家」に訪問させていただきました。
場所は、日本三景宮島のある広島県廿日市市の自然豊かな中山間部です。施設長の藤原様が温かく迎えてくださいました。藤原様のお知り合いの方が美鈴さんのファンで、美鈴さんにお会いするため、大阪まで足を運ばれていたそうです。
津田子供の家は、昭和26年に牧師の下武夫一家が「子供の家」を開始し、アメリカ海兵隊岩国基地の将校及び在米邦人の協力により建設を進め、昭和36年に児童養護施設として厚生省の認可を得ました。
平成25年には廿日市市より母子生活支援施設も引き継ぎ、約20世帯の方が生活されています。平成25年には、宮内庁より優良民間社会福祉事業施設に選定され、天皇陛下より御下賜金を賜りました。
現在、津田子供の家では、定員の約30名の子どもたちが、男女のエリアに分かれ、それぞれ4人部屋で生活しています。
訪問時間帯は、昼食の時間であり、食堂で子どもたちが元気いっぱいで迎えてくれました。
イケメンの男の子が写真を撮ってくれました。彼の大切なアルバムの1枚に飾ってくれるそうです。
施設長から伺ったのですが、彼が、「今日は何もない普通の暇な日の予定が、めっちゃ良い一日だったわ〜!」と、言ってくれていたそうです。
藤原施設長と全国に約600施設ある児童養護施設の全国的な事業方針等を策定している全国児童養護施設協議会(全養協)の今年度の事業方針ならびに、児童福祉に対する自治体毎の財政面の格差等について意見交換をさせていただきました。
とりわけ、現在の日本社会の課題である「東京を中心とした都市部と地方の格差」については、児童福祉の分野においても、財政面の地域間格差が発生しており、都市部と地方の児童養護施設の設備や職員数等の差につながる要因の一つとなっていることがわかりました。
児童福祉の分野に対し、国や行政の支援が届きにくい現状の中、美鈴サンタ支援者の皆様のお気持ちを形にしてお届けし、全国に輪が拡がっていく美鈴サンタ企画の重要性をあらためて実感させていただきました。津田子供の家の皆様、美鈴サンタご支援者の皆様ありがとうございました。
【広島新生学園】
施設名:広島新生学園
(広島県東広島市西条町田口391の2)
ご担当者:上栗園長
訪問日:2015年12月20日(日)
訪問者:光岡、和田
美鈴サンタ企画2年目のご縁をいただいている「広島新生学園」です。
上栗園長先生、校庭でバレーボールをしていた女子中高生の皆さんが温かく、元気にお迎えしてくださいました。
広島新生学園は、和田サンタが学生時代に10日間の宿泊教育実習でお世話になった児童養護施設です。
新生学園は、上栗園長先生のお父様である上栗頼登先生が、原爆孤児、戦災孤児、引揚孤児等の保護を目的として、
昭和20年に事業を開始しました。
事業開始以来、合計2,000名を養護し現在に至っています。上栗園長先生も、
児童養護施設で子どもたちと一緒に育てられ、学校の友達と同じようにほしい物など買ってもらえなかったそうです。
現在、新生学園では、児童が80人(幼児16人、小学生30人、中学生20人、高校生14人)が生活しており、職員数は、25人です。
養護方針の一つを「スポーツによる集団指導により、協調性・遵法性・責任感・忍耐力を高め体力の増進を図る」としています。訪問時には、グラウンドで高校生の男子が野球の試合をしており、みんな真剣な眼差しで汗を流していました。
園長先生が、「炊飯器を寄付してくださった支援者の方です」と美鈴サンタの紹介をしてくださると、「ありがとうございます!」とスポーツマンらしく、礼儀正しい、元気な声で御礼の挨拶をしてくれました。
親のギャンブルが原因で、辛い思いをした子どもたちも多くいるため、厳しい経営状況でも、施設設備にギャンブル資金は導入しないことを経営方針に掲げています。
また、上栗園長先生は、施設の社会化、地域交流を深める活動を積極的に推進されています。現在も、教育実習生・ボランティアの受け入れをはじめ、広島大学や私立大学で講師として、学生に社会福祉等を教え、次代を担う人材の育成に取り組んでいます。
最後に新生学園にある原爆慰霊碑に案内してくださいました。原爆が投下された直後の広島で、水を求めて死んでいった方々の慰霊のためにお父様が建てられました。
広島県内には、数多くの慰霊碑がありますが、原爆で亡くなった一般市民の慰霊を目的とした碑は、平和公園と新生学園の2つの慰霊碑だそうです。
美鈴サンタ企画のご支援者の皆様のおかげで、戦後70年の今年に、原爆慰霊碑にも平和の祈りをさせていただくことができました。広島新生学園の皆様、美鈴サンタご支援者の皆様ありがとうございました。
<美鈴サンタの感想 光岡サンタ>
今年も美鈴サンタに参加させていただき、ありがとうございました。
私は、昨年、東京スタッフとして参加して学ばせていただいた経験をふまえ、今年は、広島スタッフとして参加させていただきました。
昨年、広島で訪問できなかった施設も、美鈴さん、マネージャー親方!さんのお心遣いにより、継続して繋がって頂いていたおかげで、訪問した際に、美鈴サンタ企画と各施設の皆様との強い信頼関係を実感しました。
今回の訪問で多くのことを学ばせていただきました。特に、児童福祉の分野においても、地域間で格差が生まれている現状について学ばせていただきました。日本が税金を子どもに使う割合が世界最低レベルであることは有名ですが、社会保障関係費のうち、児童養護施設を含む社会福祉分野への割り当ても20%以下です。また、予算配分や補助金制度は、各自治体に権限が委譲されているため、財源の潤沢な東京等の大都市部と地方の格差が大きい実態があります。
広島は中堅都市としてまだ一定の財源があると思いますが、財源の乏しい四国地方等の児童福祉予算は、より厳しいのではないかと思います。ぜひ厚労省の方に実地調査をお願いしたいと思います。
やはり、子どもの教育機会等を含めたセーフティーネットは均等であるべきであると思いますし、超少子高齢化社会において、日本の未来のためにも、子どもは国・社会みんなで育てるという意識をより高めていく必要があると思いました。
美鈴サンタ企画のスタッフとして、児童養護施設を運営されている皆様からお話しを伺う機会をいただけたことに感謝し、微力ながら児童福祉の分野に貢献できるよう勉強していきたいと思います。
<美鈴サンタの感想 和田サンタ>
美鈴サンタに参加させていただき、今年で三年目。皆様からの温かい愛をお届けできることに感謝しております。
今年は、子どもたちと少し話をすることができました。初対面の私たちに、子どもの方から笑顔で話しかけてくれました。それが、とても嬉しかったです。
施設に入所している子どもたちの多くは虐待です。そのことを聞いているからか、正直のところ、わたしはどのように接すればよいのか・・・と心のどこかで子どもたちに変に気を使っていたのかもしれません。後で、とても反省しました。「気を使う」わたしの抱いたこの気持ちが子どもたちや施設を孤立させる原因になるのではないかと思うからです。
子どもたちは、現実を受け入れ親から受けた悲しみを乗り越えようとしています。乗り越えた子どもは、親から受けた虐待を我が子に繰り返すことはないそうです。
新生学園の上栗園長先生は、一人前の社会人になるためには、「自立」ではなく「自律」が大切だとおっしゃいました。自分を律する力、その力が大切なのだと・・・。施設で巣立った子どもたちの中には、幸せな家庭を築いている子が多くいるそうです。とても強い魂と、周りの人の愛によって、子どもたちの健やかに成長しているのだと思います。来年は、もっともっと子どもたちと関わりたいと思います!
津田子供の家さんから、美鈴サンタ2015'の感謝状が届きました。(2016.1.21)
ありがとうございます。
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