【美鈴サンタ2013'福岡】
美鈴サンタ福岡スタッフレポート 2013年12月20日(金)・22日(日)
訪問先
1)福岡乳児院 10時〜11時
2)若葉荘
【福岡・福岡乳児】
2013年12月20日(金)
【施設名】 福岡乳児院
【訪問時間 10:00〜11:00
【訪問者】 大塚明子 冨田亮子 佐藤三樹成
今福岡は雪の舞う寒い朝でした。渡邊院長先生にご対応いただきました。福岡乳児院では0歳〜3歳までの子供が40人前後暮らしています。遅くとも3歳児の間には、乳児院を後にし、新しい暮らす場所へ行きます。全体の50%くらいは親元へ、25%は養護施設25%は里親3歳という年齢は、乳児院では一番お兄ちゃん、お姉ちゃん、ですが児童養護施設では一番年下の年齢になります。養護施設に入るのであれば、一番幼い、年下の年齢の方が施設の子供達に可愛がってもらえる、少しでもスムーズに施設に受け入れてもらえる為の配慮でもあります。印象的だったのは、里親の比率が多い事。福岡県は、全国的にも里親の受け入れが多いそうです。非常に厳格な審査、数回にわたる里親と子供の顔合わせ、少しずつ一緒に居る時間を長くしながら、判断されるそうです。
実の親と一緒に、安心安全に暮らすのが、子供にとって最良の幸せである事でしょう。もし、それが叶わぬのであれば愛情をしっかりと与えてくれる里親と信頼関係を生み出し、暮らすという事はこれもまた、里親にとっても、子供にとっても、大きな、大きな、幸せだと私は感じました。
乳児院に暮らす40名の子供たちの親は乳児院に居る我が子と、院と、日々どれくらい繋がっているのでしょうか。院長先生に伺いました。
20名くらいの親は時々院に、子供に顔を見せにくる。
10名程は、まれに顔を出す或いは、連絡をしたら返事が有る。
残り10名程は、音信不通、行方不明、連絡の郵便物さえも戻ってくる事もあるようです。
2歳位になると、だれだれちゃんの親はよく来る。自分に会いに来る人は少ない、居ない。という感覚を本人達がうっすらと感じ始めているのを確かに感じる、と院長先生はおっしゃいます。
大切な、大切なこの0〜3歳という年齢の間にいかに愛情を与え、子供達の3歳以降の未来へ、最善を尽くして繋いでいくか。院長先生の言葉に胸を打たれます。
乳児院というのは、乳幼児の生育、情緒の発達、そして次のステップへの連携という、子供達にとってとても重要な部分に関わっていると、改めて感じました。
2歳児のお部屋でしばし子供達と一緒の時間を過ごしました。子供達から出る言葉はみんな一緒。
「抱っこ!」
「だっこちて」
抱っこしてる傍から、1人、また1人と被さるようにしがみついてきます。色々な感情でいっぱいになり涙を抑えるのに必死でした。
抱き上げ、しっかりとぬくもりを感じながら僕の口から子供ひとりひとりに出た言葉も一緒。
「だいすきだよ」
「ありがとう」
後半、男の子を抱っこしながら院長先生とお話をしていると、あっという間に予定の時間が来ました。その時、抱っこしていた男の子は眠っていました。
スヤスヤと。
この男の子は2人、3人と抱え上げながら抱っこしている時に、最後まで「だっこ・・・」としがみついていました。
祈るように目を見ながら。
抱っこしながら、ゆっくり背中を叩いてあげるとぎゅーっ、とまるでぬくもりを確かめるように、しがみつきそして安心したように力が抜け、体を預けるのが、自分の体を通してわかりました。そして、眠りました。
院長先生は、こうもおっしゃいました。「継続的に関わって下さる事は、院としても、子供達にとても有り難いです」と。「抱きしめてくれるだけでいい。この子達にとってとても重要なんです」関係というものは、継続されて深まるんだな、という事を自分は、今回、院長先生や、子供達と接していて改めて感じました。
全国の美鈴サンタさんの大切なお気持ちは、今回、この子供達のダイニングテーブルと椅子になってお届けされる予定です。この子たちが毎日、3度3度、座り、ご飯を食べるテーブルと椅子です。スタッフの方も、今まで消耗し、修繕して使っていたものを、新しく木のぬくもりいっぱいのものに新調出来る事に、大変感謝されていました。施設に子供が住む事に至るという、親、大人には色々な条件、事情が有る事と思います。今日、訪問して感じた事は子供は無条件に世の中を、親を、大人を愛し、信じ自分の生存の命綱として頼り無条件に生命の尊さを見せてくれていると感じました。そして、愛情を欲しがってました。必死で、愛情を欲しがってました。必死で、生きようとしていました。
施設の院長先生をはじめ、スタッフの皆さんは、本当に最善を尽くされていました。施設の取り組みとしても、
現在の大部屋での団体生活から今後、子供達5〜6名くらいの人数を、決まったスタッフ1名が継続的に担当し、各部屋としてのスペースを確保し、少しでも一般の家庭環境に近付ける努力をしていきたい、と切々と語られました。
その為には国の理解、設備改修面、予算面など、課題がたくさんある、との事ですが実現に向けて日々を積み重ねられるとの事です。まだまだいっぱい、ずっと、抱きしめたい。後ろ髪を引かれながら、院を後にしようとすると玄関まで子供達とスタッフさん達がお見送りをしてくれました。玄関にはクリスマスツリーと、沢山のプレゼントが山のように置いてありました。無邪気に、無邪気に、最後まで抱っこをおねだりしながらお見送りしてくれましたよ。
子供達の為に声をあげて下さった美鈴さんをはじめ全国の美鈴サンタの皆さんを代理してお気持ちを施設、子供達にお届け出来た事に、重責と共に深く感謝いたします。ありがとうございました。
佐藤 三樹成
【福岡・若葉荘】
2013年12月22日(日)
【施設名】 若葉荘
【訪問者】 村瀬香江、佐藤 三樹成
豊丹生施設長先生にご対応していただきました。
4年ぶり、2度目の訪問になります。施設は4年程前に移築をしたばかりの、光が差し込む明るい、素敵な建物です。施設長室のドアを開けると、まず優しい絵画に目がいきました。
施設長先生は仰いました。
子ども達は、施設に来た最初の日の事を、ずっと鮮明に覚えているそうです。不安な気持ち。照明の色。出された飲み物の種類……。初めて施設長室のドアを開け、椅子に座った時に、この優しい絵が目に入るようにとの配慮だそうです。
子ども達は2歳から18歳まで暮らしており、小学生〜高校生は5~10人前後の縦割りのグループ「ユニット」を形成して生活しています。部屋は1人〜2人部屋で、担任職員がつき、一つの家族のような感じで連携して暮らしています。
日本は、世界中でも圧倒的に児童養護施設の数が多く、対して里親の数が少なく、これは世界的に見ても特異で、世界標準とは比率が逆だそうです。今は日本も、里親への比重を大きくしていく国政に変わってきており、養護施設も、なるべく一般家庭の環境に近づけるよう努力がなされてきているそうです。
若葉荘では、数年前から、施設と地元の人が連携をとったお祭りを行うようになったそうです。それをきっかけに、地元の人が施設の子どもに持っていた警戒感や悪いイメージが払拭され、施設自体も外に開放的になっていき、雰囲気も穏やかで明るくなったそうです。私も前回訪問した時に比べ、明るく穏やかな雰囲気を感じました。
そして、自分が感じた事を施設長先生に伝えました。乳児院で会った幼児と養護施設の子ども達は、一緒であると感じたと。同じように「生きたい」「愛情が欲しい」と一生懸命生きている命そのものであると。一つ、違うところがあるとすれば、それは親や、大人に、安心安全の場を与えられず命を、心を、裏切られ続けた事による傷の数、深さでしょうか。彼等は何も悪くありませんよね?と、施設長先生にあらためて尋ねると、深く頷かれました。
そして、施設長先生は仰られます。
子ども達は自己評価、自己価値が著しく低い状態で、この施設に来る、と。「生きてていいの?」「生きる希望が湧かない」「親が不幸なのは自分が悪いんだ……」皆、一様に希望を失い、自分の存在を責めているそうです。そんな子もど達が自信をつける事に、日々努力をしている、と。
そして、施設長先生は美鈴サンタご訪問の申し入れの電話が来た時の事を話されました。ちょうど電話の2週間前、施設では、プロの皆さんによるそれはそれは素晴らしい和太鼓の演奏会が催されたそうです。子供達は太鼓を習う事を強く希望しましたが、太鼓の購入費用の都合がつかず、泣く泣く見送るところに、美鈴サンタの連絡があったそうです。しかも丁度その太鼓購入の予算と一緒だったとのこと。
施設長先生は「まさに絶妙なタイミングの、不思議なご訪問のお電話でした」と驚かれていました。美鈴サンタのお気持ちは、「練習用和太鼓」となって、子ども達の手に届けられる予定です。
施設長先生は、最近の施設の子ども達に変化が現れていると仰られます。
ボランティアや、塾などの甲斐もあって、学力も上がって来ている。太鼓を練習する事によって、さらにそこから色々なものを学び、自信をつけて欲しいと。施設の取り組みの甲斐もあって最近は、施設の上級生が、以前よりも自信を付け、穏やかに下の子供達のお手本になっており、全体が引っ張られ良い雰囲気になってきているそうです。クリスマス会に参加させていただきましたが、なるほど、子ども達は終始和やかな安心した雰囲気で、助け合い、気を配り、笑い合う優しい時間でした。
これからも、益々彼らが自信を持って成長していくお手伝いを、全国の美鈴サンタさんの代理として、お気持ちを確かにお届け出来たと思います。
豊丹生施設長先生を始め職員の皆さん、子供達。
美鈴さん、全国の美鈴サンタの皆さま、貴重な機会を戴きありがとうございました。
佐藤 三樹成
≪感想≫
2009年美鈴サンタがスタートした年
初めて訪問させて頂いた施設が『福岡乳児院』でした。
何もかもが初体験、緊張の為か状況をうまく受け止められなかった記憶があります。
今回、私は『福岡乳児院』は5年ぶり2回目の訪問でした。
迎えてくれた二歳児、三歳児の天使たちに会ったとたん、とても懐かしく愛おしくて…
人懐こい子供たちのペースに引き込まれ、あっという間の滞在でした。
膝に乗ってきたり、抱っこ!と抱きついてきたり(ずっしりと腰に〜(笑)運動不足を反省?年齢?かな?)
癒されたのは私だったようです。
院長先生のお話の中に、子供達にとって良い環境が整いつつある事、
また、里親さんも少しずつ増えているという事を伺い、少し安堵いたしました。
子供達の笑顔が溢れる世の中になりますようにと願い、子供たちと触れ合う経験をさせて頂いた事に感謝しています。
美鈴さん、親方、ほんとうにありがとうございました。
おおつかあきこ
今年は乳児院に伺ってきました。
皆さんのお気持ちはテーブルとイスになるそうです。
子供達に日常で使ってもらえるのは嬉しいですね♪
今回は3歳ぐらいの子供達とふれあってきました。
だっこやおんぶをせがんだり、じっと見つめてきたりとそれぞれが色んな形で愛情を求めてきます。
そんな子供達の気持ちを受け止め、暖かく包み込んであげる事の大切さを、伺う度に感じます。
実は、恥ずかしながら今まで里親制度の詳しい内容を知らずにいました。
里親さんのような愛情をもって子供達に接してくれる方がいらっしゃるのは心強い。
そして、思っていたよりも里親希望のがあるのには驚きました。
家族とは?家庭とは?そんな事を考えさせられた今回の訪問でした。
一人でも多くの子供達が愛ある環境にありますよう、そして自分も子供達を見守る一人でありたいと思います。
今年も美鈴サンタに参加させていただき、ありがとうございました。
冨田亮子
今年の訪問先は、私にとってリベンジだった。
5年前、美鈴サンタとして初めて参加させてもらった時、子ども達の口の悪さに完全にへこたれてしまい、席を外そうとした時、「行くな!、行かないで!」と腕を掴まれた。子ども達が心の中で「寂しい」を叫びながら悪態をぶつけてきていた。自分の無知さと無力を思い知らされたことを思い出す。
今年、またその施設へ伺えることになり、「今度こそ全部受け止める」「愛で包む」という気持ちで向かった。
クリスマスパーティーにお邪魔させてもらえた。子ども達が元気で楽しく発表していた。5年前、口が悪かったあの子達もいた。とっても穏やかないい顔をして踊ってた、楽しそうに笑ってた。すごくすごく嬉しかった。
数日前、和太鼓のプロの方が演奏に来られたらしく、子ども達が興味を持った。習わせたい、和太鼓が必要、その時に美鈴サンタからの連絡があり金額がピッタリ!だったそうだ。子ども達が元気に太鼓を叩くでしょう。お祭りイベントに参加するかもしれない。必要な所に必要なものが届いて本当によかった。
美鈴サンタに参加させていただいて5年になりますが、今回初めて「よかった。。」「嬉しい。。」がこぼれた。帰りの夕日がとても綺麗に見えた。
参加させていただいて、
皆様のお気持ちを届けさせていただけて、本当にありがとうございました。
村瀬香江
福岡乳児院様からお礼状が届きました。
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