美鈴サンタ2012'札幌
美鈴サンタ札幌スタッフレポート 2012年12月23日(日)
訪問先
1)札幌乳児院 10時〜11時
2)児童養護施設 興正学園 13時〜13時40分
【札幌・札幌乳児院 】
訪問施設: 札幌乳児院 10:00〜11:00
訪問者 : 上田小織, 種市真澄
荒れるかも知れないと思っていた天気も晴天に恵まれ、すがすがしい気持ちで"美鈴サンタ"の使者として出発しました。子供達の顔を見られるのが楽しみでワクワクしながら向かいました。ひょっとしたら抱っこも出来るかも……。昨年は、お昼寝の時間帯に伺ったのでそっと覗いて来たのですが、今日は、ちょうど遊んでいる時間帯でしたので、たくさんの子供達に会うことが出来ました。ホールでお友達と遊んでいる子・職員さんにべったり貼り付いている子・スノーウェアーを着て寒さなんかへっちゃらで外遊びをしている子と様々でした。子供達の部屋は全て南に面していて、大きなベランダが付いていました。木をふんだんに使い、明るく、過ごしやすい造りでした。お部屋が自分のお家で、担当者がお母さん。ホールが、団地の公園といった感じでした。
日曜日なので、面会の親御さんも何組もいらっしゃいました。或お子さんは担当されている職員の方と親御さんとでボール遊びをしていました。自宅復帰の準備をされているのでしょう。ちょうど養子縁組が整ったお子さんで、退所される方がいらっしゃり、私たちも一緒に見送らせていただきました。その子のお母さんは、自分で育てたかったけれど重い病気のため東京の病院に行かなくてはならなくなり、養子縁組を承諾したそうです。児童相談所の方がよく考え、里親登録されている方達の中からその子にとって良い方との養子縁組を進めたとの事でした。その後、その方達が約1ヶ月間通ってお子さんと面会し、良い関係を作り、晴れて今日退所となりました。お子さんの月齢は、6ヶ月でした。ピンクのおくるみに包まれて、その子を暖かい眼差しで見つめているお母さんに抱っこされていました。その子に携わった職員の方達全員が並び、見送る姿を見ていると目頭が熱くなりました。祝福する気持ちと、寂しさが入り混じっていたことでしょう。でも、新しいご両親の元に行っても、これで縁が切れる訳では有りません。今年から札幌乳児院に"里親支援専門相談員"が配置され、その方が架け橋となり乳児院からのきめ細やかなサポートも行えるようになったそうです。
里親さんや養子縁組が整った家庭に対して深く関わることの出来る"里親支援専門相談員"の存在は大きいようです。里親家庭に行った子供達は、そこから親子の関係を作って行きます。最初里親さんの気持ちを試す"試し行動"が見られることも有るそうで、そんな時にも、"里親支援専門相談員"を通じて色々な人たちがサポートをします。まだ札幌市内には2名しか居ませんが、これからどんどん増えていくことを期待しているとの事でした。もちろん、今までのように児童相談所の方や、他の多くの方達もバックアップをしています。
札幌乳児院に来たお子さんは、ほとんどの子が里親さんのところに行きます。現在札幌市内で里親登録されている家庭は110家庭くらいです。
一家庭で、何人もむかえている方達もいらっしゃるそうです。乳児院の方は、多くの方にこの里親登録の制度を知っていただき裾野を広げていきたいとおっしゃっていました。多くの方に登録していただき、子供達の将来進む道の選択肢を増やしてあげたいと願っています。里親家庭に対して悩みの相談に乗り一緒に解決策を探したり、里親さんの不安を少しでも軽減できればと、心を砕いています。お話を伺っていて、"安心して里親になっていただけるように全力で支援を行っていこう"という熱意を感じました。乳児院でも、手厚くお子さんを育てているけれども、子供は"自分にとって特別な存在"を求めているので、早く里親さんのもとに行かせてあげたいとの事でした。
また、乳児院では子育てが上手くいかない家庭のお子さんのショートステイも行っています。その中で、特に見守りが必要と思われる家庭があった場合保健師さんや児童家庭支援センターと連携を取り、サポートをしています。それによって、親子関係が改善され、家庭から出て行かなくてよくなるケースも多く有るそうです。色々な形で、子供達に愛情を注ぎ、どのようにしたら幸せにしてあげられるか熱意を持って誠実に考え、子供達と向き合っている姿が頼もしく見えました。
(種市眞澄 記)
【札幌・興正学園】
訪問施設: 興正学園 13:00〜14:40
施設種別 児童養護施設 興正学園
設置主体 社会福祉法人 常徳会
施設概要 児童養護施設 興正学園 60名
興正チャイルドホーム 6名
興正こども家庭支援センター
訪問者 : 上田小織, 種市真澄
朝、目を覚まして外を見ると、札幌は久しぶりの快晴です。
まるで美鈴サンタ企画を祝福しているようで、神様に感謝しながら施設へ向かいました。到着すると、池内事務長と鏑木主任指導員に対応していただき、目録と皆様からのメッセージをお渡ししました。興生学園では、プロジェクター、スクリーン、オーブンレンジ、デジカメ希望とのことでそちらを贈りました。なぜプロジェクターというと、施設ではプロ野球やサッカー観戦の招待を受けることが多く、ファンになった子供たちがみんなで応援できるようかねてから思案していたそうです。そこで、今回の美鈴サンタ企画です!本当に喜んでいただきました。想像すると嬉しくなりますね。子供たちが笑顔で応援している様子……。オーブンレンジは、先生方と子供たちが一緒にお菓子を作ったりするのに活躍するそうです。(私も呼んでほしい……。)デジカメは古くなったので新しく新調とのことで、皆様の善意は存分に役立つことでしょう。
興生学園は、昭和20年7月、戦争孤児の保護から始まった施設です。定員60人ですが、退所するこどもが出てもすぐに定員は埋まってしまうといいます。毎年訪れていますが、今年も施設に来るこどもは後をたちませんでした。施設に今の課題を聞いてみると、一昨年開設された興生チャイルドホームの運営がかなり難しいそうです。国は施設の小規模化を進めていますが、家庭のようなグループホームは6人という少人数で一見よさそうですが、職員は保育士を含め5〜6人いないとまわしていけません。仮に興生学園が大規模の本体を45人定員に減らし、グループホームを3カ所作ったとしたら、職員を今よりかなり多くしないとやっていけないそうです。
現在は、施設長が自宅を改装しご夫婦でやっているので運営できていますが、職員が同じように住み込みにして運営しようとしたらかなりの負担になることでしょう。施設側の努力だけでは運営できないと思うので、国の補助の見直しやより現場に即した制度が必要と知りました。また、たとえ少人数でアットホームといえども、皆、自分が来たくて来た家ではありません。大人の都合で施設に来た子供たちです。どれだけ心に傷を抱えていることか、私では理解できないでしょう。
施設で暮らす子供たちには安心感が必要と思います。施設の方も「自分はここにいてもいいんだ」と思ってくれるように心がけていると言われました。そしていつかここを出て行く時に、「ここにいて良かった」と思って巣立ってほしいそうです。私たち大人は、そうした子供たちが社会に出たときに温かく迎え、今、施設にいる子供たちにはできる範囲で援助していく。それが、美鈴サンタ企画でできることを本当に嬉しく思います。
他に子供たちが嬉しいことに経験のプレゼントがあります。今年はコンサートの招待ががかなり多かったようで、MISIA、エグザイル、K-POP、札響などまともにチケットを買えばかなりするものです。こういったアーティストの方の活動が公になり、施設の存在が知られていくことも喜ばしいことですね。この美鈴サンタ企画を機に、多くの方が施設の子供たちに想いを向け、応援してくださることを祈ります。
(札幌スタッフ 上田小織)
<美鈴サンタ企画に参加して> 上田小織
美鈴サンタに関わって4年経ちました。
毎年皆さんに施設の実情をお届けしていますが、うまく伝えられているか不安です。
私の感想よりも施設の説明をした方がいいのではないか。施設がいいたいことは伝えられているか。
皆さんが知りたいことはなにか。考えても仕方がないのですが悩みます・・・。
それでも、レポートを読んで何か興味を持っていただけたら私も役に立ったようで嬉しく思います。
私自身、ボランティアに登録し活動をしてからより施設について理解が深まりました。
結局は感じたことしか伝えられません。
毎年参加して、職員の方とのお話を通じて施設への理解が深まっていくことが嬉しいです。
模索してみると、自分ができることが何かあるかもしれない・・・。
そんな宝探しみたいな感覚で自分の活かし方を考えています。
だれでも、得意なことはあるはず。それを子供たちと共有し、楽しい時間を持てたら幸せですね。
美鈴サンタに賛同した皆さんが、来年も同じ想いで集まれることを心から祈っています。
今年もこのような機会をいただきありがとうございました。
美鈴サンタに参加して 種市真澄
最近雪の日が多く、急に大量に積もったため車での移動時間が普段の3倍かかる事しばしばの今日この頃です。
大事を取って、早めに待ち合わせをしましたが、車の流れがとても順調でストレスも無く早めに付き、
少し上田さんとおしゃべりをしてから約束の時間に訪問しました。
札幌乳児院の方も、興正学園の方も長くお時間を取ってくださり色々なお話を聞かせていくださいました。
札幌乳児院では、退所されるお子さんの見送りをさせていただいた事もあり、里親さんの事について詳しく
話しをしてくださいました。
巣立つお子さんに多くの方が関わり全力をあげて支えて行くための態勢造りを行っている様子を伺い、
誇りと情熱を持って真剣に取り組んでいるのだと感じました。
お子さんのお世話を担当される職員の方は、母親のように接していて子供達も安心して甘えていました。
そして、純粋無垢な乳幼児達を見ていると、本当に幸せな気持ちになりました。
みんな良いご縁に恵まれることを祈っています。
興正学園は、大きいお子さんばかりなので難しい事もたくさんあると思いますが、とても情緒が安定して
いるように感じました。小学生の子の面倒を見ている中学生位のお兄さんの姿が、優しく頼もしかったです。
子供達同士も支え合っているのですね。きっと職員の方達の深い愛情が伝わっているからなのだと思いました。
部屋の様子もさまざまで、自分の思い通りに過ごしている様子がうかがえました。
金魚を飼っている部屋がありました。廊下には、亀も居ました。
学園祭や生活発表会も盛大に行うとのことでした。
楽しいことをいっぱいやらせたいと話す職員の方は満面に笑みをたたえていました。
みんな心に傷を抱えていると思いますが、たくさんの愛情を注がれそれをエネルギーにして乗り切って
いこうとしているように感じました。みんなに、希望に満ちたステキな未来が訪れますように!
後日、「クリスマスプレゼントがお届きました」とご連絡をいただきましたので、画像とレポートを追加いたいます。(20130118)
2013年1月16日(水)
訪問者 : 上田小織
本日、目録をお届けした施設を訪問し、寄贈した品を拝見してきました。
前日の雪はどこへやら、快晴のなか気分も晴れやかに訪問です。
やっぱり美鈴サンタの活動は神様に見守られてると感じずにはいられません・・・。
興正学園には、プロジェクターとスクリーン。オーブンレンジ2台とデジカメです。
プロジェクターは想像以上に大きく、これで映画を観られたら幸せでしょう。オーブンレンジも最新式でかなり良いケーキが焼けるそうです。以前使っていたレンジは年代物だったので、このレンジがあれば遅く帰って来たこどもがご飯を温めるのに役立つと思います。施設の方からはたくさんの感謝の言葉をいただきましたこと、皆様に報告します。
次は札幌乳児院です。
こちらには、かわいらしいピンクのおままごとセットが届きました。コンロと冷蔵庫がセットで、コンロのスイッチはちゃんとカチカチ音が鳴って動きます。
お鍋に、フライパン、まな板、包丁、魚、卵、冷蔵庫には氷の固まりまで・・・。良くできていて、大人の私でも楽しめるものでした。子供たちが取り合いになるくらい人気者です。
そのため、子供たちが集まる広場には置かず、個室に大切に置かれてました。本当に喜んでいただけたものと思います。こちらでもたくさんの感謝の言葉をいただきました。
美鈴サンタに賛同していただいたすべての人の思いは、施設にちゃんと届いてます。これからも皆さんと応援していきたいと思います。
施設の方とお話ししていて感じたこと。
施設では、お正月でも家に帰れず施設で年越しする子も多くいます。職員の先生と一緒に年越しそばを食べ、元旦にはおせちを食べる。家族で過ごすのが当たり前の私たちは想像できませんが、人が少なくなった
施設で過ごさなくてはいけない子供の気持ちはどのようなものでしょう・・・。
小さいときは気にならなくても、大きくなってくると「こんなものか・・。」と思うようになるようです。どうかすべての子供が希望に満ちた新年を迎えられるようになって欲しいと思います。
どんな子供もみんなかわいい。子供は大人の態度によっていかようにも変わることを、
私はスキーのレッスンをしていて感じます。これからも子供たちと関わることを楽しんで、
子供たちから学ばせてもらおうと思います。
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